男子107キロ級は中辻克仁(50=日鉄住金環境プラントソリューションズ)が193キロで制した。183キロからスタートし、2回目に193キロを挙げ、最終3回目に自らの日本記録202キロを上回る203キロに挑んだものの失敗に終わった。

「試合用の体になっていないのに、203キロを半分まで押せた(挙げられた)。よかったと思います」

日本でただ1人の“200キロリフター”は、今年2月のW杯(英国)遠征で大けがを負った。宿舎で右脚に義足を着けないまま転倒して断端部を粉砕骨折し、緊急帰国を余儀なくされた。

それだけに「東京パラリンピックの1年延期は自分にはプラスになった」と、コロナ禍の中で治療と並行して体の再調整と技術の見直しに着手。体重を6キロ落とすなどリフレッシュを図っている。目指すのは東京パラ出場を争うランキングで圏内の8位以内。現在の13位から浮上するには最低でも210キロ以上が必要になる。

◆パラ・パワーリフティング 下肢に障がいを持つ選手が対象で、台上にあおむけになった状態でバーベルを押し上げて重量を競うベンチプレス競技。東京パラでは男女各10階級が行われる。最低出場標準記録をクリアし、国際パラリンピック委員会が指定する国際大会の成績が反映されるランキングで、来年6月までに上位8位以内に入れば出場権が得られる。