【宇都宮ブレックス〈6〉】四家魁人 バスケに取り憑かれた少年の恐ろしい行動力/1

四家魁人(22)ほど、バスケットボールを愛して止まない人はいないかもしれません。小学2年生でバスケを始めてからひたすら、うまくなるためにはどうすれば良いかを考え、行動に移してきました。熱量の多さゆえに周囲を困惑させることもありましたが、まっすぐすぎるほどまっすぐに突き進んだ少年時代から振り返ります。

バスケットボール

22歳新戦力 175センチPG

四家魁人(しけ・かいと)

2001年9月25日、福島県いわき市出身。福島南高校卒業後に単身渡米し、212 Sports Academy Prep Schoolを経て、2022―23シーズンはNCAA2部のフェアモント州立大で1年間プレーした。ポジションはポイントガード。175センチ、74キロ。

10月7日、群馬とのリーグ開幕戦のメンバー紹介に登場する宇都宮・四家魁人

10月7日、群馬とのリーグ開幕戦のメンバー紹介に登場する宇都宮・四家魁人

6年生に指示を出す始めたての2年生

11歳の四家少年はチームメイトの胸ぐらをつかみ、叫んだ。

「おまえ、やる気あんのか! もっと練習しろよ!」

福島県いわき市赤井の小さな体育館に、張り詰めた空気が漂った。四家少年の剣幕に、胸ぐらをつかまれた子供は泣き出す。コーチから「カイト、それはやるな!」と怒られた四家少年はしぶしぶ右手を離した。

最初は「野球少年」だった。小学校1年でソフトボールチームに入った。兄の影響だった。姉もいた。姉の方は赤井ミニバスケットボールスポーツ少年団に所属していた。ソフトボールの練習の帰り、姉を迎えにいく母親によくついていった。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。