150秒にかける青春〈14〉大学女王から世界の女王へ「世界で一番いいチームに」
チアリーディングの世界選手権・シニア女子部門(11月25日、高崎アリーナ)に出場する日本代表3チームで、帝京大学「Buffalos」は唯一の単独チームになる。8月に行われたジャパンカップの大学部門ディビジョン1で2連覇を達成。大学女王が次なる目標として世界一に挑む。(敬称略)
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悔しさが同居する2連覇
やり残したことがある。
大学女王が求めるのは、さらなる進化。その先にある最高の輝き-。
8月のジャパンカップ日本選手権。
準決勝は完璧な内容だった。
高さのあるバスケットトスから、リズミカルで流れるようなタンブリング。
前半の見せ場、トリプル2本も見事に成功した。
最後のスタンツが終わると、選手たちは抱き合って喜んだ。
ノーミスの演技は1年前に自分たちが出した記録を塗り替え、大学部門で歴代最高を更新する283・0点。
この時点で2位の梅花女子大学(265・5点)に差を広げた。
翌日の決勝。
トリプルでミスが出ると、流れが崩れていった。
あの日、得点を待つ彼女たちは、笑顔というよりは不安げな表情をしているように映った。
決勝は255・0点で、トータル396・5点(準決勝の得点の50%を加算)。
喜びの中に、ほんの少しの悔しさが同居する2連覇だった。
日本の頂点から世界へ
主将の疋田天希(あまね)はこう語っている。
「まだまだ足りないところだらけだと感じた大会でもありました」
彼女たちはさらに、たくましさと美しさを追い求めている。
以前から続けている週に3回の筋力トレーニング。当然ながら食事にも気を配っている。
素顔は普通の女子大生だが、ストイックな姿勢で日本の頂点から、その先にある世界を見据えている。
あの夏を経て、再び-。
「Buffalos」が、輝く舞台が訪れる。
世界へ挑む選手たちに、それぞれの思いを聞いた。
まずは公立高校から帝京大学の門をたたき、世界一を目指す1人の選手から紹介することにしよう。
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茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。
