【大上悟・オレに任せろ】

 ◆11R・オリオン賞 ドリームレースで一列棒状にする先行で爆走した深谷知広の称号が「怪童」なら、竹内雄作は「ワンダーボーイ」だ。5度目のオールスターの舞台は竹内が席巻する。昨年の松戸オールスターは度肝を抜く3連勝からG1初の決勝進出。今年もワンダーぶりを再現だ。

 「33バンクははっきり言って苦手」と断言するように当所は初参戦の12年3月から3場所連続で決勝進出を逸していた。しかし「自分はいつも通りに前で駆ける。それだけ」。どんな結果にも積極駆けのスタイルは不変。先行して敗れることもあるが、お構いなし。初志貫徹で着実に先行能力を磨き上げた。

 前場所の青森はF1戦ながら完全V。特選、準決と逃げ切って連勝。決勝はオリオン賞でも対戦する石井秀治が番手まくりを放ったが、その上をまくった。上がりタイムはいずれも11秒3と精密機械の走りだ。

 7月に事故点累積による特別指導訓練で5泊6日の「お寺修行」。掃除など精神修養も「量はあるけどタンパク質が不足(笑い)」というアスリートに不向きな食事と、練習不足で体重は一気に3キロ減。サマーナイトFは、この影響で精彩を欠いたが「言い訳はしない」。そんな頑固一徹さをバンクで見せつける。

 オリオン賞は、番手は初手から金子貴志と大塚健一郎が競る。「後ろを信頼して自分の仕事をする」。深谷ばりの先行一本。後位のもつれを尻目に圧巻の逃走劇でワンダーボーイの夏が始まる。相手は原田研太朗に勢いをもらって伸びる岩津裕介と、単騎を得意とする園田匠だ。3連単は(2)=(8)から(1)(4)(3)、(2)=(1)から(8)(4)(3)。