【ヤマコウの時は来た!】

 ◆11R:ガールズグランプリ 今年も暮れの大一番を迎える季節となった。その本番に先駆けて、ガールズGPとヤングGPが行われる。各選手ともにリラックスムードの中にも、ピンと張り詰めた独特の緊張感が漂う。

 その第1弾がガールズGP。今年で5回目、もはや常連といっていい石井寛子をピックアップする。17日に伊東G3で一緒にトークショーをした。その日の午前中に伊豆ベロドロームで、次期東京五輪をにらんだ記録会に参加したそうだ。久しぶりのステージでは、一流選手のオーラを感じた。デビュー当時のおどおどした感じは消えて、精神的に成長した姿がそこにあった。

 「これまでガールズGPはいろんなスケジュールが絡み合って練習不足で参加したり、その反省が裏目に出てオーバーワークでの出走になったり、よくなかった。4回目にして、やっと納得のいく出来で立川に入ることができました」と話した。国際競技をこなして、国内のガールズケイリンでも結果を模索する姿に頭が下がる思いだ。

 「ガールズコレクションやサマーナイトフェスティバルの先にガールズGPがある」(石井)ということは、GPの重みは男子選手と同じだということだ。

 今回のレースは、昨年のとは様相が変わってきた。高木真備の急成長があるからだ。奥井迪が主導権と考えるレースから、高木の可能性も考えなければならない。まくる梶田舞に児玉碧衣。バックからは混戦の可能性大。1番車の利点を生かしつつ、内を鋭く突く石井が締めくくる。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)