日本で2つ目となる屋内木製250メートルバンク「JKA250(にーごーまる)」の落成式が、17日に行われました。静岡・伊豆市に日本競輪選手養成所内に建設された、ブノワ・ジャパンの新たな練習拠点に潜入してきました。

落成式が行われた「JKA250」。まだ木材が新しく真っ白なバンクが印象的です
落成式が行われた「JKA250」。まだ木材が新しく真っ白なバンクが印象的です

屋内に入ると、バンクに張られた新品の木材からいい香りが漂ってきます。JKA250がつくられた理由は、ナショナルチームの強化とともに、世界に通用する競輪選手候補生の育成という目的もあります。深谷知広は「33や400といったこれだけの種類のバンクが密集している所は世界にもない。これからの選手が育つ環境が整った」と語りました。東京五輪はもちろん、次世代の選手が世界を見据えた練習ができる施設として意義があります。

ケイリンの様子。3番手の脇本雄太(手前)は、ドミトリエフ(左端)とブフリ(右から2人目)を警戒
ケイリンの様子。3番手の脇本雄太(手前)は、ドミトリエフ(左端)とブフリ(右から2人目)を警戒

式典ではデモレースが行われました。ケイリンは新田祐大、脇本雄太、河端朋之、雨谷一樹、松井宏佑ら日本勢に、ブフリとドミトリエフの外国勢も参戦。レースは、ブフリのまくりに合わせてドミトリエフが番手まくりしましたが、最後に18年世界選手権銀メダルの河端が大外を追い込んで1着をゲット。柵がない内側バンクで見るレースは迫力満点でした。

女子スプリント。この後太田りゆ(左)を小林優香が差し切りました
女子スプリント。この後太田りゆ(左)を小林優香が差し切りました

女子スプリントは小林優香と太田りゆの対決。ゴール前はきわどい勝負になりましたが、小林がタイヤ差制して、場内を沸かせました。

男子スプリントは深谷知広と、現日本代表コーチのニブレットとの師弟対決で深谷が逃げ切り勝ち。2人は普段も実戦形式で練習しているそうで「試合だと見えない部分が見える。苦手なインスタートも克服できた」と深谷。元オーストラリア代表からテクニックを伝授されています。一方、師匠は「作戦と違い、前と離れた」と悔しそうでした。

バンクに腰掛けるブノワジャパン。傾斜が緩いといっても角度は42・8度あります
バンクに腰掛けるブノワジャパン。傾斜が緩いといっても角度は42・8度あります

現在のナショナルチームは「増量期」で体作りの時期とのこと。なお、メダル獲得を目指す東京五輪の日本代表選考基準も11日に発表され、20年世界選手権の成績が判断基準の1つと明記されました。JKA250という新施設を得たブノワジャパンの活躍には、今後も注目していきます。【山本幸史】