熊本競輪復興後初のG1、全日本選抜の初日が終わった。穏やかな陽気に恵まれ、たくさんのファンが押しかけた。選手紹介の時から大きな声援が飛び交った。ステージ前にもベテランファンがたくさんいて、うれしそうな表情が印象に残った。
初日特選10Rの脇本雄太の1着も印象に残ったが、1予9Rの石原颯の先行力に舌を巻いた。熊本バンクは直線も長く、地元で番手の塚本大樹は1着もあると思ったが、それを許さなかった。小松島で行われた高松G3を、強風の中で完全優勝を飾った強さはだてではなかった。
石原は前受けして村田祐樹、寺沼拓摩の動きを見て迷うことなく7番手まで引こうとした。石原のカマシを警戒した寺沼は、先行態勢に入る村田をすかさずたたいた。これで石原は先行しやすくなったといえる。強さだけではなく、迷いのなさが、あの展開を生んだ。状態の良さを感じるシーンだった。
レース後もおごることなく、淡々と話すキャラはいつも通りだが「踏み出しが良くなかった」と振り返る。打鐘3角で前の選手が外に膨らみ、上体が立った分、スピードの乗りは良くなかった。しかし、その後「踏み上げるようにスピードを上げた」と振り返った。強い選手や調子がいい選手は、サドルに座った後の伸びが優れている。脚力だけではなく、体全体で踏めている証拠だ。
2予10Rは菊池岳仁が相手と、本格先行同士がぶつかり合う。石原にとって楽な相手ではないが、ここを突破すれば本物と言っていい。(日刊スポーツ評論家)























