【山本幸史・おヤマの大将】

◆10R・準決 

予想が当たらず落ち込む私の姿を見かねたヤマコウさんに「山本君、『迷う心に明日はなし!』だよ」と激励された。南関、特に静岡の選手間では有名な格言だそうだ。

確かに2日目までは迷いがあった。だが、このレースは迷い無し。SS班村上に◎だ。派手さこそないが、今開催、動き1つ1つがさえている。

初日特選は、古性が山崎の番手を狙い、2車並走の内をもぐり込んだ。この古性の動きに反応し、連結を外さず続いた動きが渋かった。決して簡単な芸当ではない。また、SR賞も三谷の落車を内に回避し4着。「たまたま走っていたコースが良かっただけ」と言うが、決して運ではない。その前から内のコースを狙っていた。レースが見え、反応がいいからこそのハンドルさばきだろう。「感触が良くなっているのでは?」の問いには「自分の中で、もっと体が動く時を知っていると、まだまだ」と首を振ったが、ニヤッと笑って「ただ、周りがそう言うのなら、その兆しはあるのかな」と続ける。出来は悪くない。また「竜生と椎木尾には早くケガを治して戻ってほしい」と後輩を思いやった。2人の分も、という思いが、村上に力を与えるはずだ。

レースは混戦になる。吉沢は「今回は逃げ切れる感じじゃない」と言う。それなら渡辺の番手狙いだ。山田は最低でもこの後ろを確保して、前団のもつれをまくるか、渡辺がペースを緩めれば迷わずカマシに行く。KEIRINグランプリ2度、3月開催の日本選手権4度V。冷えて重い底力勝負の別府なら、村上の出番だ。前前勝負の吉沢に乗る諸橋との力車券を狙う。

3連単(9)=(7)-(2)(4)(3)(1)(6)と(9)-(2)(4)(3)-全の31点。