ガールズ300勝レーサー山原さくら(27=高知)が復帰に向けて精力的に練習をこなしている。女性特有の病気で、昨年11月の松山ナイターを最後に長期欠場。復帰を前に「さくらは元気です!」とファンにアピールした。【取材・構成=村上正洋】

マイブームのボートレースをタブレットでせっせと購入
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病気をきっかけに趣味が1つ増えた。入院中に時間を持て余し、何かやろうと思いついたのがボートレース。


山原 ボート選手の知人が何人かいて、食事する機会はあるけど、レースを見たことがなかった。ちょっと買ってみようかなと。


さっそくネット会員になった。最初は知り合いの選手の応援舟券を買っていたが、そのうち当てたくなるのが人の常。


山原 まだ初心者なので知識はありませんが(1枠で)めちゃくちゃ人気を背負っている選手が最初のコーナーで、他の選手に入られているのを見たら『まじかー』ってなります。でも、同じ公営競技の選手として多少の失敗は気持ちがよく分かります(苦笑)。自分は勝ち負けより見せるレースをしようと思うときがあったけど、人気を背負ったときはきっちり勝つ競走をしなきゃいけないんだなって改めて思いました。


コロナ騒動が収束して無観客開催が終われば、賞金袋を握りしめてボート場に駆けつけたいそうだ。


山原さくら
山原さくら

◆山原さくら(やまはら・さくら)1992年(平4)12月11日、高知市生まれ。高知工高から自転車競技を始め、トラック短距離で12年ロンドン五輪強化指定選手。競輪学校(現選手養成所)104期生の在校2位で、13年5月に松戸でデビュー。16年3月名古屋ガールズケイリンコレクション優勝。通算529戦333勝。総獲得賞金は7996万1800円。164センチ、66キロ。血液型はB。父は63期の山原利秀(51)。


▼ヤマコウ(日刊スポーツ評論家・山口幸二氏)の視点


4月の高知G3で、篠原龍馬にアドバイスを求められてバンク練習を見た。篠原と別に2人で周回している選手がいて、1人は山原利秀と分かったけれど、もう1人、いい乗車フォームをしているなと思ったのが娘のさくらだった。


女子の中で強い選手だけど何で強いのかそれまで分からなかった。児玉碧衣のように飛び抜けて自力が強いわけではなく、さばきに秀でているわけでもない。それでも、効率のいい乗り方が本人も気づかず自然にできていることが持ち味なんだ。篠原や彼の弟子の田尾駿介より、よっぽどそれができている。後は筋力。みっちり筋トレすれば、病気をする前より強くなれると思う。


山原さくらと同期の小坂知子(左)田中まい
山原さくらと同期の小坂知子(左)田中まい

▼同期もエール!小坂知子(岐阜)


ずっと腹痛があることは聞いていたけれど、そんな重病とは…。小倉開催が終わって病院にお見舞いに行ったけど、術後で笑っちゃいけない状態なのに、さんざん笑わせてごめんね(苦笑)。一緒のレースになることを楽しみにしていています。でも、練習しかしていないだろうから、きっとすごく強くなって戻ってくるんでしょうね。


▼同期もエール!田中まい(千葉)


前検日の早朝に入院したと聞いて、さくらが泊まったホテルで荷物を引き取り、そのまま見舞いに行きました。相当苦しいのか、つらそうな表情でした。小倉開催が終わって、また病院を訪ねたときは手術が成功したと聞いてホッとしたのか、2人で泣いてました(苦笑)。独走でもいいタイムが出たと聞いたので足の心配はしていませんが、さくらは「緊張しい」なので1走すれば大丈夫と思います。強くなっていると思うので、レースでは当たりたくないですね。