日刊スポーツ新聞社制定「第33回オートレース年間三賞」の選考委員会が行われ、敢闘賞は上和田拓海(24=川口)に決まった。

昨年は2級車の最後(昨年12月13日、飯塚34期新人王決定戦)で勝利。年間31勝をマークして、1級車への期待を抱かせた。「2級車はH位置が詰まっていく中で思い通りにいかない方が多かった。ただ、2級車はこれ以上ない形で終われて、1級車はこれ以上ない形で始まった」。

1級車デビューだった地元川口の正月戦は見事に完全V。2級車からの連勝を次の川口で「10」まで伸ばした。川口ナイトレースでは上がり3秒334、直後の昼間開催では試走3秒25。同じ時期の青山周平や、鈴木圭一郎をしのぐ好時計をたたき出した。9月から始めた1級車の練習は、「スタートがすごく切れたので、乗り替わっても自信を持っていけた」。勝ち星を量産して最高ハンになるのは時間の問題だ。「自分だけ好成績を挙げるのではなく、34期の同期全体で早くなることを強く思っている」。34期のリーダー的存在は、今後のオート界を担うスター候補になった。

走り方の課題はタイヤを滑らせないこと。「パワーがあり、開ければ開けるほど滑りにつながる。まだ、コース取りとかがつかみ切れていない。正直、タイムで判断しているだけでエンジンが出ているのか分からない」。伸びしろは十分、今後の成長は楽しみだ。

◆上和田拓海(かみわだ・たくみ) 1996年(平8)7月3日、東京都生まれ。川口所属34期生。A級136位。第34期選手養成所・最優秀賞。20年は98戦31勝。通算優勝は3度。趣味はモータースポーツ、映画観賞。164センチ、54キロ。血液型B。