【ミッドナイト初日リポート】

業界初となるミッドナイトボートレースが、山口・下関市の下関ボートで幕を開けた。

午後5時。スタート展示に向かう1Rの出走メンバーがピットから飛び出し、静寂のスタンドの前を疾走した。

オープニングを逃げ切って制したのは地元の井本昌也(24=山口)だった。「ミッドナイトといっても、普通のナイター開催の3、4Rぐらいの時間帯でしたからね。無観客(開催)というのも(コロナ禍で)昨年から行われていたので気にならなかったです。でも、ミッド初の1着で歴史に名を刻みました!」と相好を崩した。

午後9時を超え、ボート界では未知の時間帯に突入した。その最初のレース、10Rを制したのは西島義則(59=広島)。こちらは「歴史の1ページに名を刻んだ? いやいや、全然、気にしてないよ(笑い)」と、こちらは百戦錬磨のベテランらしく、泰然自若だった。

初日の売り上げは8億3225万2700円。ナイター開催が他に3場あり、他場が佳境を迎える時間帯は、さすがに数字が伸びなかった。しかし、独占状態となった10R以降は、各レースで1億円オーバーの売り上げをマーク。メイン12Rドリーム戦は約2億円近くまで跳ね上がり、後半3個レースで約4億2000万円弱と、全体の半分以上の売り上げを占める形となった。

比較的、人気サイドでの決着も多かったというのもあるが、初日としては上々の滑り出しといえる。