佐藤励(25=川口)が念願のビッグタイトルを手に入れた。SGファイナルの最内枠でスタートにかかるプレッシャーは半端なかった。「スタートは自分なりにいけたけど…」。4番手発進から先頭争いの青山周平、黒川京介を追った。最後の最後で内をすり抜け差し切ってSG初制覇を地元で成し遂げ、07年オートGP武藤博臣に続く史上2人目のSG初優勝完全V(昨年日本選手権の黒川京介は優勝戦Fで完全V記録にならず)を地元で飾った。
「ゴールして自分が勝っているのかは分からなかったが、ビジョンに自分が大写しだったので、勝ったんだなって」。そう分かると、何度も拳を突き上げて優勝を喜んだ。
勝負どころは2度訪れた。1度目は9周回3角。「追ってて余裕はありました。鈴木圭一郎さんを抜く時にできるだけタイヤを使わず抜こうと」。そしてクライマックスは最終周回だ。その時点で佐藤励は青山、黒川の3番手だった。「黒川さんは、最後に青山さんの外へ行く、って思ったから、最後は超滑らせないようにって」。最後の4角を立ち上がると内にスペースを見つけ、一気に車を伸ばした。最後は青山、黒川を捕らえきったところがゴールだった。
戻ってくると、ウイニングランの前に胴上げで祝福され、満面の笑み。同じ35期の小椋華恋は「さすがですね~。本当にすごい!」と驚き、師匠の阿部剛士はあっせんの合間、佐藤励の走りを見にわざわざ川口まで駆けつけた。「まあね、彼も(SG初優出するまで)悔しい思いをしていたからね~。それがあるから…。今節のレースを見ていてずっと流れが来ているのは分かっていたから。じっくり落ち着いて道中、最後のワンチャンス、ひと差しにかけていたのも分かっていたからね。目の前で見られて良かったよ」。胴上げの輪に加わりながら、弟子の成長に満足そうだった。
佐藤励は言う。「最後はわぉっ! て感じですよ。でも差したかは全然、分からなかった。ビジョンみて、あ、オレかあって(笑い)。10周回で良かったですよ」と初の10周戦をアドバンテージに変える冷静さ、それが佐藤励の勝利の大きな要因だった。





















