J2アルビレックス新潟は、30代の不動のセンターバック2人などベテラン選手の奮闘が際立つ中でも「チャンスがなければ若い選手は成長しない」と、就任2年目のアルベルト監督の下、若手が順調に実戦経験を積んでいる。出場選手の平均年齢はリーグで4番目に若い26・1歳(第39節時)。今季の出場選手は27人に達し、不祥事などで途中退団もあった昨季の26人を上回る。得点者も15人を数え、残り2試合で昨季の14人を超えている。

今季J2の出場選手の平均年齢
今季J2の出場選手の平均年齢

高卒1年目で23試合2得点をマークする19歳のMF三戸を筆頭に、J1昇格の可能性が薄れてからは19歳のFW小見、22歳のFWシマブクらがリーグ戦デビュー。今季初出場を果たした24歳のGK阿部は守護神の座をつかんだ。期限付き移籍から復帰した23歳のDF長谷川も終盤戦で出場機会を得て、この日のザスパクサツ群馬戦では積極果敢な攻め上がりで好機に絡んだ。

今季はシーズン途中の補強が少なく、歯がゆい思いをしたサポーターも多いはずだが、将来性のある生え抜き選手が成長したのは収穫。ただ、新潟で活躍した選手が他のJ1クラブに個人昇格するケースを嫌というほど見てきた。今度は攻撃的なスタイルをチームに植え付けてくれた指揮官までもが来季J1FC東京の監督候補に挙がっている。こうした繰り返しを、地方クラブの宿命と割り切ることはできない。【石川秀和】