日本サッカー協会は5日、リオデジャネイロ五輪に出場する男子日本代表18人の背番号を発表し、10番を右膝負傷から復帰したMF中島翔哉(21=東京)が取り戻した。

 手倉森ジャパンの10番が中島の背中に戻ってきた。14年1月のチーム発足から今年3月のポルトガル遠征まで背負ってきたが、4月に右膝を負傷して戦線離脱。その間、同じサイドハーフのMF矢島が10番を与えられ、5月のガーナ戦で2得点。トゥーロン国際でも司令塔として活躍した。中島が復帰した先月29日の南アフリカ戦でも番号は変わらず、中島に13番を割り当てた手倉森監督は「10番を取り戻す力を示してほしい」と奮起を求めていた。

 中島も「監督がプレッシャーをかけるのは、自分を五輪に必要だと思ってくれているから」と受け止めていた。燃えた南アフリカ戦では2発と猛アピール。「10番はピッチで一番うまい選手がつける番号。メッシもそう」とエース番号へのこだわりも吐露していた。

 手倉森監督は1日の五輪代表18人の発表会見で、背番号だけは伏せて先送りした。「話題がなくなってしまうから」と冗談めかしていたが、中島と矢島のどちらに10番を託すか悩み続けた。関係者によると、前日まで迷って決めたという。

 結論として、中島が慣れ親しむ10番に復帰し、矢島には9番が与えられた。08年北京五輪ではMF梶山、12年ロンドン五輪では当時大宮に在籍したMF東。所属の東京には過去2大会で背番号10を背負った選手もいる。東らが到達したロンドン五輪4強を超えるべく、エースの系譜を継ぐ男が手倉森ジャパンの攻撃陣を引っ張る。