なでしこジャパンが2連覇を目指す女子アジア杯が開幕し、日本は今日7日にグループリーグ初戦のベトナム戦に臨む。日刊スポーツでは、今月3日から本大会での活躍が期待される注目選手をプレー内外の視点から毎日1人ずつ紹介する企画「なでしこの横顔」を開始。第5回は、年代別代表時代から未来のなでしこを担う存在として期待されてきたMF猶本光(24)です。

 猶本が世間に名を広めたのは、12年に日本で開催されたU-20(20歳以下)W杯。3位になった「ヤングなでしこ」の主力として活躍し、その美しいビジュアルとともに人気に火が付いた。

 14年のアジア杯のメンバーにも選ばれ、MF澤穂希ら大先輩とともに優勝も経験した。しかし、その後は代表に定着しきれず、16年3月のリオ五輪アジア最終予選のメンバーから外れる悔しさも味わった。

 猶本は4年前について「ほぼ先輩たちがつかみとった優勝をそばで見ていただけ。A代表はこういうレベルなんだっていうのを見せつけられた大会」と振り返る。再び戻ってきたアジアの舞台。今大会への意気込みは強い。「すごく厳しい戦いにはなると思うけど、今まで先輩たちが見せてきたような粘り強い気持ちのこもったプレーをしたい。王者として挑む大会だと思うので、負けられない」。

 常に自分に課題を見つけ、努力を続ける姿勢は私生活にもあらわれる。ちょうどU-20W杯のあった12年から筑波大に進学。授業を受けて夕方から所属する浦和レッズレディースの練習に通う生活を続けた。そして16年に同大大学院にも進み、研究テーマのひとつに「ドリブル」を選ぶなどサッカーと勉学をうまく結び付けて今春無事に卒業を果たした。

 追いかけてきた先輩たちの背中。19年W杯フランス大会、そして20年東京五輪も見据え、猶本は気合をみなぎらせている。「ギリギリの戦いをものにしてきて11年の(W杯)優勝だったと思う。ああいうプレーは見ている人を感動させると思うし、なでしこジャパンはそういうチームでありたいし、ならなければいけないと思う。自分たちもそういう思いを引き継いでプレーしたい」。

 今度は納得のいく形で、なでしこジャパンをアジアの頂点に導くつもりだ。

 ◆猶本光(なおもと・ひかる)1994年(平6)3月3日、福岡県小郡市生まれ。小郡東野少年SC、FCリエートを経て09年から福岡AN。10年U-17W杯トリニダード・トバゴ大会準優勝。12年から浦和へ移籍し、同年のU-20W杯に出場。趣味は睡眠。水泳も得意。家族は両親と兄、妹。158センチ、55キロ。血液型A。

 ◆AFC女子アジア杯 4チームずつ2グループに分かれ、上位2チームが決勝トーナメントへ進出。8チーム中5位までに19年フランスW杯出場権が与えられる。グループB組の日本は7日にグループリーグ初戦のベトナム戦に臨み、10日に韓国、13日にオーストラリアと対戦する。試合は全てテレビ朝日系列で生中継予定で、ベトナム戦は午後10時30分(日本時間)から放送。