日本代表のFW本田圭佑(31=パチューカ)は19日、東京・稲城市で東京ヴェルディの練習に参加し、東京ヴェルディでの最後の練習で汗を流した。

 すっかりなじんできた緑のユニホーム姿でグランドに入ると、MF井上潮音に気さくに声をかけ、チームにも溶け込んでいる様子だった。練習の冒頭ではチームが用意した背番号「4」入りのユニホームをプレゼントされ、チームメート、首脳陣、スタッフと記念撮影しリラックスしていた。

 アップを終えた後の6対6では、いつも通りに右サイドにポジションを取り、リズミカルにボールを左右に散らした。ほぼ、ボールを失うことはなく、安定したキープ力だった。

 特筆すべきは流れの中で3度、やや強めのシュートを打った場面で、中でもゴール前に走り込んだ本田に、左後方からパスが来ると、そのままダイレクトで振り向きざまのシュートを放った場面。トラップするかと思わせた動きの中で、瞬間的に動きを速めてシュートを選択。左足の振りがシャープだったことと、シュートスピードがあり、体をねじりファーサイドを狙ったところに、体幹が安定した本田らしいフィジカルの強さを感じさせた。

 この日の練習は東京ヴェルディでの最後の練習とあって、途中からジュニアチームが見学に訪れ、本田の動きを食い入るように見詰めた。本田がシュートを放つと「本田、うまっ!」。練習最後のメニューで、左右からのクロスに、中央でボレーシュートをする場面では、本田がボレーを決めると「すごっ!」と歓声が上がっていた。見学を終えたジュニアチームの小6の選手たちは「ミートがうまかった。僕たちはまだミートが課題なのですごいと思った」「次元が違うと思った」など、思い思いの感想を口にしていた。

 練習後は20分ほどかけてファン1人1人に丁寧にサインしてからクラブハウスを後にした。壮行試合のガーナ戦(30日)に向け、今後東京近郊で開始する代表合宿が控える。東京ヴェルディで貴重な練習環境を提供され、本田にとっては有意義なトレーニングになった。