日本代表MF乾貴士(29=エイバル)が23日、千葉県内で行われた代表合宿に姿を見せ、30日の親善試合ガーナ戦へ照準を合わせた。17日の練習で右太ももを打撲し、チームのシーズン終了を待たずに帰国。もも前の打撲だったことを明かし「徐々に良くなっている」と話した。別メニューながら初めてチームメートとピッチで汗を流し、ワールドカップ出場をかけた最後のアピールの場への決意を口にした。

 乾が合宿の練習場に初めて姿を見せた。別メニュー調整だったが、ランニングシューズをはき、ゆっくりとジョギング。ペースを上げて走るFW岡崎とすれ違うたびに、励ましのかけ声で明るさを注入。ボールを使った軽いトレーニングも行った。練習後には、右太もも前部分の打撲だったことを明かし「徐々に良くなっている。(患部の)出血はちょっと…。詳しいことは言えませんが、徐々に治ってきているのでゆっくり治していく」と話した。

 17日にエイバルでの練習中に負傷し、最終節を待たずに帰国。21日から始まった代表合宿では2日間は室内で調整した。高圧酸素療法などの治療を受けていたことも明かし「体にいいことは全部やってました。室内で体幹と治療をしていました」。仲間との屋外での練習に「中でやるのはしんどかったので。外でワイワイしてる方が好き。久しぶりに(外に)出て気分的にもリラックスできた」と話した。

 担当医とは復帰の予定は話し合っていないが、初めてのW杯ロシア大会に向かう気持ちは強い。復帰の目標を問われると「ガーナ戦に合わせたい。アピールする場なので。そこで合わせられるようにやっていきたい」と即答した。

 23人の代表メンバー発表を前にした、最後のテストの場となるガーナ戦まで約1週間。「徐々に上げていく。これからボールを使っていく練習も増えていくと思う」。ロシア切符を手にすべく、乾の挑戦が始まった。【岩田千代巳】