日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)が世界へ駆け上がる。9日は、新潟市内で国際親善試合パナマ戦(12日、デンカS)に向けた代表合宿2日目の練習に臨んだ。この日の日本時間未明、サッカー専門誌フランス・フットボールが新設した21歳以下の最優秀選手に贈る「コパ賞」候補10人を発表。“U-21バロンドール”となるコパ賞に堂安はフランス代表のFWエムバペ(19=パリサンジェルマン)らとともに選出された。受賞者は12月3日に決まる。

肌寒い新潟で堂安はひときわ目立っていた。GKを含めた8対8の練習。MF三竿の左クロスに中央から絶妙のタイミングで走り込み、左足シュートでネットを揺らした。オランダで磨いた冷静な判断と決定力。急成長中のレフティーは見学に訪れた地元の観客約3500人も沸かせた。

この日、世界からうれしいニュースが飛び込んできた。今年から新設された“U-21バロンドール”候補10人に堂安が選出された。朝4時ごろ、時差ぼけで目が覚めた堂安は携帯でニュースをチェック。エムバペらそうそうたるメンバーと共に自分の名があった。

「お母さんも4時ごろ起きたみたいで連絡がきた。みんなエムバペが(賞を)取るだろうと思っている中で、いつかは堂安が勝つんじゃないか、と思わせるようにしていきたい」

昨夏、19歳でガンバ大阪からオランダ1部フローニンゲンに移籍。昨年6月のU-20ワールドカップ(W杯)で世界相手に戦ったことがきっかけで海外移籍を決断した。1年目はリーグ戦9得点の活躍。今季はクラブのエースを任され「守備をしたら怒られるぐらい」得点を期待される存在になった。16年にはアジア最優秀ユース選手賞を受賞したが、常に視線の先には世界があった。だからこそ飛躍が認められた。

堂安も言い切った。「いつかはエムバペを追い越していきたい」。そのためには日本代表での結果も求められる。9月の国際親善試合コスタリカ戦で代表デビューしたが「もっとやれたプレーがある」と反省。次に目指すは代表初得点。「もちろんゴールという気持ちはある。勝ちたい思いが強い」。勝利に、ゴールに貪欲な20歳。世界に名をとどろかせる準備は整った。【小杉舞】