森保ジャパンは“三銃士”だけじゃない! アジア杯UAE大会(来年1月5日開幕)に出場する日本代表は千葉合宿の最終日となった30日、流通経大と35分×2本の練習試合を行い、MF伊東純也(25=柏レイソル)の先制点などで2-0で勝利した。チーム発足後初の練習試合でも得点した伊東は、国内最後の実戦でもアピールに成功した。チームは1度解散し、1月2日にUAEへ出発する。

伊東が好感触で国内合宿を終えた。1本目の11分、DF佐々木が左サイドを抜け出すと、右サイドから加速してゴール前へ。クロスを受けたトラップで巧みにDFをかわし、右隅へ冷静にシュートを決めた。「DFが見えたので切り返した。試合なので勝たないといけない中で、得点できてよかった」。まだ全員がそろわずにトレーニングパートナーも交ざったチームながら、持ち味とするスピードを生かした突破を随所に見せた。

森保ジャパンの“第1号”も伊東だった。初の活動となった9月の北海道シリーズでは、地震の影響でチリとの親善試合が中止になったが、代わりに行った練習試合で先制点を決めた。今年最後の実戦でも締めの1発を決めた。リーグ戦が終了してから代表合宿まで約3週間が空いたが「しっかり状態を上げることができた」。また、アジア杯仕様のモルテン社製のボールについても「思い通りにできるようになってきた」。この日の試合と合宿を前向きに振り返った。

ポジション争いの激戦区となっている2列目。左からMF中島、南野、堂安の“三銃士”がリードする様相だが、じっとベンチを温めるつもりはない。9月のコスタリカ戦、10月のパナマ戦と連続ゴールを挙げるなど、結果を残し続けている。アジア杯は今大会から出場チームが16から24になり、決勝まで戦った場合の試合数も7に増えた。「総力戦で、初めて優勝をつかみとれると思っている」という森保監督のもと、競争が準備にもなっている。

チームはいったん解散し、大みそかと元日は柏で英気を養い、UAEへと渡る。日本代表として国外では初めて臨む大会。快足ウイングが、アジアに存在を知らしめる時を待っている。【岡崎悠利】