日本代表(FIFAランキング26位)が惜しくも決勝トーナメント進出を逃した。前半15分にMF中島翔哉(24=アルドハイル)の今大会初得点で先制したが、同35分に同点弾を献上。後半も勝ち越し点は奪えなかった。勝ち点2でB組3位のパラグアイと並んだものの得失点差で上回れず、1次リーグ敗退となった。

森保一監督(50)は、悔しさを押し殺していた。南米の地での初勝利による決勝トーナメント進出を目指したが、あと1歩、かなわなかった。試合直後のインタビューでは、「グループリーグを突破しようと、今日の試合を勝利しようということでチームでいい準備ができていたと思いますし、選手もいい戦いをしてくれていたので勝てなくて残念です」と振り返った。

言い訳なしで、南米勢に挑み続けた。南米選手権は代表招集に拘束力がないため、五輪世代が中心のメンバー編成。それでも現時点でのベストメンバーと背筋をピンと張り、エクアドル戦の前日会見でも「まずは我々がよりいい戦いをするために、攻守に全員が関わること、お互いに距離感をよくすること」と目の前の一戦に集中する姿勢を貫き通した。

初戦のチリ戦こそ0-4と完敗したが、2戦目では東京五輪世代のMF三好の2得点で強豪ウルグアイと引き分け、この日もエクアドルに1-1。GK川島やFW岡崎が存在感を示し、若き五輪世代は日ごとに成長を示した。「しっかりできたことと足りなかったこと、またこの大会を振り返って成長の糧にするということを(選手に)伝えたいと思います。チャンスもつくれましたし、ただ試合を勝ちきるために、決めきる力というところは足りなかったという部分。しっかりとファイトした部分、できたところを自信に持ちながら、最後のところ勝てるように力をつけていこうと選手に伝えたいと思います」と、南米での奮闘で課題と手応えの両方を手にした。

通算2分け1敗で1次リーグ敗退の厳しい現実の中にも、未来に向けた“指針”も見えた。森保監督は「世界で戦うための激しく厳しく球際のところを戦うという部分、そこを外すための技術が素早い判断からの技術が必要だということ、日本人ができる、世界と戦うために、1人1人の技術、全員がハードワークでつなげていくということ、そうすれば必ず世界とも対等に戦っていけると選手たちには自信を持ってもらいたいと思います。全員攻撃、全員守備、全員連係・連動して個の力を出すと言うこと、日本人がやっていくこと、選手たちが生かしてもらいたいと思います」と、結んだ。進んでいる道は間違っていない-。指揮官が掲げる“日本らしいサッカー”を追求し続けることが、地元五輪で目指す頂点への道しるべとなる。