東京オリンピック(五輪)世代U-22日本代表が“ガチ”メンバーをそろえた。森保一監督(51)は5日、都内のJFAハウスで、国際親善試合U-22コロンビア代表戦(17日、Eスタ)の招集メンバーを発表。MF久保建英(18=マジョルカ)、MF堂安律(21=PSV)らを五輪世代の活動に集中させ、W杯アジア2次予選キルギス戦(14日、アウェー)に臨むA代表には招集しないことを明言した。

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森保監督は堂安や久保をオリンピック(五輪)代表に専念させる決断をした。A代表がワールドカップ(W杯)アジア2次予選を含む2試合を行う間に、A代表クラスの選手が世代別代表の活動を優先するのは異例だ。指揮官は「A代表に行っている五輪世代の選手をいつ融合させるか、バランスを考えている」と意図を語った。

今回は招集する側とされる側、双方の都合が一致する希少な機会だった。国際Aマッチ期間中で各国リーグが中断し、各クラブの試合での選手起用に直接影響を与えない。五輪代表に専念させることで1試合のみとし、移動を日本との往復だけにして選手の負担が減ることもプラス材料。さらにA代表と同時に国内で活動するため、兼任する森保監督が五輪代表も現場で関わることができる。日本協会はこの機を逃さずに各クラブと交渉し、招集にこぎつけた。

堂安と久保が主戦場とする2列目は競争の激化が必至だ。6月の南米選手権で強豪ウルグアイから2得点したMF三好、伸び盛りのMF食野と海外組がいる。A代表組が3バックを採用する五輪代表ですんなりと長所を出せる保証もない。だからこそ、どんな化学反応が起こり得るか、伸びしろも計り知れない。

次回以降、A代表組の招集は確約されていない。負傷中のDF冨安を除けば、これだけのメンバーを編成できる機会はもうないかもしれない。東京五輪まで、残り9カ月。わずか1試合だが、森保監督にとっては五輪本番での選手起用に大きなめどをつける重要な機会となる。【岡崎悠利】