日本がオーストラリアに勝ち、7大会連続のワールドカップ(W杯)出場を決めた。苦境を経験しながらも6連勝で切符をつかんだ森保一監督(53)の次男でユーチューバーの圭悟さん(28)が、父であり、指揮官への思いを寄せた。「どこにでもいる普通の家族」という次男の目線から、森保監督の信念が浮き彫りになった。

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約3年半前、日本代表監督に就任するとき、家族にLINE(ライン)で「迷惑をかけるかもしれない、影響出るかもしれないけどチャレンジします」というメッセージが届きました。以降は試合に勝ったとき「おめでとう」「ありがとう」のやりとりくらいです。

3兄弟なのですが、みんなサッカーをするように言われたことは1度もありません。「人に迷惑をかけなければ、自由に生きなさい」とそれだけ。今は自由に生きるにもルールがあって、人として義理や礼儀を持てという意味だったと理解しています。

今回の招集メンバーが発表される直前、家族とYouTubeのメンバーで食事に行きました。席が離れていてほとんど話せなかったですが、遠目に見ていて「2週間後に試合を控えている、プレッシャーの中で戦っている人の顔ではないな」と思ったことをよく覚えています。穏やかというか、いつもとまったく変わらなかった。

あの表情を見て、ふに落ちたことがありました。かつて「監督をやっていてストレスは感じない」と話した記事で読んで、そんな人間がいるのかと信じられなかった。ただ、今思うと、監督になる前から、たまに家にいるときは、ずっと国内外のサッカーの映像を見ていました。自分の父親ながら、本当に純粋にサッカーを愛している。心の底から日本サッカーをよくしようと思っているから、ストレスも感じないんだろうなと、あの穏やかな表情を見て感じました。

仮に、監督を解任されたとしても、それが日本サッカーのためになるならいいと思っているのではないでしょうか。いつだったかはっきり覚えていないですけど「成長のために森保一はいらないとなれば、それでいいというスタンスでやっている」と言ったと聞きました。自分の名誉やキャリアより、日本サッカーのために動いている人。今はたまたま日本代表の監督をやっている、という表現がしっくりきますね。

試合に勝っても負けても、批判は多かったです。自分のYouTubeチャンネルにも、負けた翌日は特に「おやじを辞めさせろ」というコメントがきます。ただ、自分が首を突っ込むことではないから、負けたからといって連絡はしない。勝負の世界なので、どんな結果になっても受け入れようと思っています。

おやじの人生、そして自分の人生もある。それぞれ頑張ろう、みたいな感じです。年末年始も、半日くらいだけ帰ってきて、昼ご飯に行っただけ。そうやってたまに顔を合わせるだけで、今はいいです。

ドーハの悲劇を経験して、今回カタールでのW杯に監督として向かう。これも父の物語だなと思います。本人は映像を見返したこともないというし、ドーハの話をしたこともありません。今とこれからの日本サッカーのことで頭がいっぱいなのでしょう。とにかく、今はW杯出場おめでとう。本大会はぜひ見に行きたいです。

◆森保圭悟(もりやす・けいご)1993年(平5)9月22日生まれ、広島県出身。広島ユースから流通経大を経て16年にオーストラリア2部エッジワースへ入団。1年目に17得点、2年目に9得点と活躍もビザの関係で退団し、18年にフィリピン1部マリキナへ移籍。19年にドイツ5部相当のコブレンツでプレーし、同年に現役を引退。20年に自らが発起人となり、広島ユース時代の仲間と3人でYouTubeチャンネル「LISEM」を立ち上げた。現在のチャンネル登録者数は約18万人。兄翔平、弟陸と3兄弟。