サッカー日本代表MF鎌田大地(25=アイントラハト・フランクフルト)が、苦楽を過ごした地に凱旋(がいせん)する。8日、キリン杯の10日ガーナ戦(ノエスタ)、14日のチリまたはチュニジア戦(パナスタ)を前にオンライン取材に対応。東山高(京都)時代に、サッカーをやめようと思っていたことを明かした。第2の故郷でもある関西の地での試合で、成長した姿を見せる。

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高校時代について質問を受けると、いつもクールな鎌田の顔が和らいだ。

「高校3年間で、サッカーを2回やめようと思っていたので(笑い)やめていないこと、サッカーを続けたことが、今こうして自分がいる証拠」

愛媛出身。中学はG大阪のジュニアユースに所属した。ユースには昇格出来ず、進学先に選んだ高校が、京都の私学・東山。今や日本選手としては20年ぶりに欧州リーグ(EL)優勝を果たした男も、高校1年の時にサッカーをやめようとも考えていたという。第91回高校サッカー選手権の京都府大会の決勝。京都橘に2-3で敗れた。

「自分が外して負けた。3年生の先輩たちを引退させてしまったのは人生のターニングポイント。人間的にも変わったと思うし、より、サッカーをやるモチベーションになったと思う」

悔しさを味わった青春時代を経て、海外組として日の丸を背負う。W杯で同組のスペイン、ドイツの猛者とは、ブンデスリーガ、ELなどでしのぎを削る。6日ブラジル戦に0-1と敗れた今「ブラジルはスペイン、ドイツに比べて強い。スペイン、ドイツはW杯を優勝した時と比べると苦戦していると思う。今の日本ならいい戦いは出来る」と確かな自信がある。

10日ガーナ戦は神戸、14日のチリ、またはチュニジア戦は大阪での一戦。「得点とか目に見える結果を出したい。家族とか友達も関西には多いので、いいプレーを見せたい」とたくましくなった姿を見せる。【栗田尚樹】