日本代表(FIFAランキング24位)がワールドカップ(W杯)カタール大会に臨むメンバー決定前の最終戦で、エクアドル代表(同44位)と0-0で引き分けた。

W杯へ生き残りを懸け、最後のアピールの場。森保一監督は23日の米国戦(2-0)から先発を全員入れ替えた。期待されたトップ下の南野拓実(27=モナコ)は攻撃の形をつくれず、見せ場なく鎌田大地(26=アイントラハト・フランクフルト)と後半途中で交代。鎌田は米国戦で1ゴールと結果を出し、この日も躍動しただけに、チーム内の序列変動が見えた一戦となった。

この日の布陣も4-2-3-1。先発メンバーはGKシュミット・ダニエル(30=シントトロイデン)、DFは左から長友佑都(36=東京)伊藤洋輝(23=シュツットガルト)谷口彰悟(31=川崎F)山根視来(28=川崎F)。MFはボランチに柴崎岳(30=レガネス)と田中碧(24=デュッセルドルフ)、2列目の攻撃的な位置に左から三笘薫(25=ブライトン)南野、堂安律(24=フライブルク)。1トップには古橋亨梧(27=セルティック)が入った。

日本は前半、W杯南米予選を4位で通過したエクアドルがボールを保持する時間が長く、守勢に回った。エクアドルも本大会を見据え、本気モード。序盤から球際で激しい攻防が繰り広げられた。そんな熱気が伝わったのか、前半15分前後にピッチ内のスプリンクラーが誤作動を起こし、3度も散水するハプニング。試合に水を差した。

日本は左サイドの三笘のドリブルから攻撃の糸口を探った。一方で南野は思うようにボールを持てず、堂安も守備に回るシーンが多く攻撃の形をつくれない。前半唯一の決定的な場面は40分だった。敵陣ペナルティーエリア内で相手選手のパスがFW古橋へ渡った、古橋は左足でシュートを打ったが、GKの好セーブに遭った。

逆に42分、エクアドルのカウンターを浴び、ドリブル突破から放たれたシュートがゴール左ポストを直撃。続けて前半終了間際には、CKから相手のヘディングシュートを受けた。ここはGKシュミットがパンチングで防ぎ、事なきを得た。

森保監督は1トップの古橋を下げ、後半開始から上田綺世(24=セルクル・ブリュージュ)を投入し、反撃を試みた。だが、試合展開は変わらず、エクアドルの出足の速い攻守に押されてピンチの連続だった。

日本は後半21分に柴崎から遠藤航(29=シュツットガルト)、南野から鎌田へ、三笘から相馬勇紀(25=名古屋グランパス)へ交代。後半25分には、その相馬が左サイドのドリブルからゴール前へクロス。上田が頭でシュートを狙ったが、惜しくもゴール左に外れた。

後半34分には左サイドから流れたボールを堂安が左足でシュート。GKにセーブされたボールを上田がシュートを狙ったがこれも阻まれた。

その2分後、自陣ゴール前で谷口が相手選手を倒してPKを献上。38分、GKシュミットがFWバレンシアの左隅を狙った強烈なPKをファインセーブ。絶体絶命のピンチを救った。

日本は長友から吉田麻也(34=シャルケ)へ、堂安から伊東純也(29=スタッド・ランス)へ交代。終了間際には右サイドを突破した鎌田が角度のない位置から強烈なシュートを見舞ったが、GKにセーブされた。このままスコアは動かずスコアレスドローに終わった。

森保監督にとっては選手選考の見極めとなったエクアドル戦。無失点で乗り切った中で、GKシュミットの堅守は光った。また、左サイドバックで4大会連続のW杯出場を目指す長友は相手に決定的な場面をつくらせず、国際Aマッチ137試合目(歴代2位)の経験値の高さを披露した。