U-20ワールドカップ(W杯)アルゼンチン大会で1次リーグ敗退した同日本代表が1日、帰国し、川崎フロンターレ(川崎F)所属のDF高井幸大とMF永長鷹虎が取材に応じた。

3試合にフル出場した高井は「すごく課題のある結果」としつつ「ただ自分にとってよかったというか、世界との差を感じたし、勝ち上がれなかった原因も少し(自分に)ありますし、ここで世界をみたから、這い上がれるチャンスだと思います」とポジティブに捉えた。

4月15日の名古屋戦から、川崎Fで先発を勝ち取り、自信を持って大会に臨み、3月のアジア杯ではつかみ切れなかったスタメンを勝ち取った。現地で本職ではない右サイドバックでの起用を言い渡されたが「試合に出られるなら何でもいい」と歓迎した。

大会を通して、1対1の守備などで苦戦することはあったが、得意のビルドアップの部分は手応えを感じたという。「大きく成長できた。近々のところでオリンピックの代表に入り込めるようにしたい」と次を見据えた。

クラブに戻ると、すぐに試合が待っている。川崎Fは、高井が不在の間に公式戦3連敗も経験した。「センターバックをやりながらチーム事情でサイドバックをやることもあるかもしれない。対人のところは勉強になった。対人の仕方がセンターバックとは違った。すごく面白かった」と幅を広げ、クラブに還元するつもりだ。

日本では長髪だったが、現地でスポーツ刈りにしたことも話題となった。やや照れながら「普通に…はい。もともとちょっと、ぼうずにしたくて。タイミング的にいいんじゃないかと普通に切っただけです」とその理由を明かした。

初戦のセネガル戦で右サイドで先発した永長は、高井と「川崎Fホットライン」を形成した。「あんまりやったことなかったっていうのもあったんですけど、フロンターレコンビでできてよかった」としつつ、ハーフタイムで自身が交代になったことから「もっとやれると思ったんですけどあまりうまくいかず。試合中にもっと修正できたら良かったなって思いました。でも楽しかったです」と振り返った。

劣悪なピッチ状況もあり、得意のドリブルの威力を発揮できなかった。「完全に自分の弱点がはっきりしましたし、世界に行くためには、ああいうフィジカルの強い選手とやっていかないといけない。芝は多少荒れていましたけど、相手チームも一緒だし、世界の選手たちは、うまいなって思った。自分のドリブルをもっと生かせたらよかったんですけど、技術不足ですね」と課題を口にした。

永長は、今季リーグ戦で1試合の出場にとどまる。現在の立ち位置に満足はしていない。「(クラブに)戻って試合に絡めず、またベンチ外だったら、今回行った意味がないので、戻ってメンバーに絡んでいきたいです。自分の武器は(他のメンバーには)あんまりないと思うので、そこをJリーグ通じて試合に出場するのは、絶対に必要になってくる。若いっていう年齢じゃなくなってくるので、違いを見せていきたいなと思います」。

若武者2人が異国の地で得た悔しさと手応えを川崎に持ち帰り、さらなるレベルアップ、そしてクラブの勝利につなげていく。【佐藤成】