9カ月ぶり日本代表復帰のスコットランド1部セルティックFW古橋亨梧(28)が、昨冬のW杯カタール大会へのメンバー落選という失意を乗り越え、欧州主要1部リーグで日本人初の最多スコアラーに成長した。その古橋は日本代表合宿を前に日刊スポーツの単独取材に応じ、自らの胸の内を打ち明けた。

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古橋が何度も口にしていた言葉が「感謝」だった。決して順風満帆なサッカー人生ではなかったが、いつも人との出会いが道を照らしてくれた。

大阪・興国高から進んだ中大時代、計7クラブの練習参加したものの内定は出なかった。Jリーガーを諦めかけた卒業3カ月前。佐藤健監督を通じ、J2岐阜(当時)の大木武監督(現熊本監督)と出会い、土壇場でプロ入りをつかんだ。

1年半でJ1神戸へステップアップ。その2カ月前に前バルセロナのMFイニエスタが加入していた。世界的スターはポンと背中をたたいてくれた。「自信を持ってやってくれればいい」。ボールを触りに下がろうとすると「上がれ」と制され、イニエスタがボールを持った瞬間、ゴール前へトップスピードで走ると足元にパスが届いた。ポドルスキ、ビジャも加えた豪華攻撃陣の中、唯一の日本人選手として先発し、スピードの生かし方も会得した。

欧州でも通用した。リーグ初先発となったセルティックの本拠デビュー戦でハットトリック。1年目は公式戦33試合20得点、2年目の今季は50試合34得点と爆発した。ポステコグルー監督との出会いに恩と縁を感じる。「僕を呼んで、信用して使ってくれたことに感謝したい」。呼応する形でゴールを量産。歩んだ道の先々で会った恩人たちへの感謝を忘れたことはない。

W杯メンバーに落選した後も「考えないようにプレーしていたけど、うまく思うようにいかなくて。そういう時期に声をかけてくれた選手たちの言葉が頭に浮かぶと、すごくうれしかった」とスコットランド移籍に納得した。

9カ月ぶり復帰。第2次森保ジャパンを初勝利に導く決意だが、失意の中で励ましてくれた仲間やファンのため得点を狙う。「感謝」を胸に。【岩田千代巳】

○…古橋は、注目の去就について「未来のことは分からないけれど、現状はセルティックの選手」と話すにとどめた。今季師事したポステゴグルー監督のプレミアリーグ・トットナム監督就任が決定。英メディアでは、古橋の獲得にも動くと報じられている。世界最高峰の舞台だが「チャンスがあれば考えたいけど、今はセルティックの選手」と重ねて強調。「来季も3冠を取れるように。欧州CLでは1次リーグ突破。今はそこを目指したい」とした。