大ブレークした先輩から刺激を受け、日本一をつかむ。高円宮杯U-18サッカーリーグチャンピオンシップを制した青森山田サッカー部が19日、青森市内の同校で行われた壮行式に参加。「2冠」をかけた全国高校サッカー選手権(30日開幕)に向け、全校生徒から激励を受けた。前日18日にはOBのJ1鹿島MF柴崎岳(24)がクラブW杯決勝でRマドリード相手に2得点と大暴れ。住永翔主将(3年)もテレビ観戦、先輩に負けず年始の主役になると意気込んだ。

 勇姿を焼き付けた。前日18日夜、青森山田・住永主将は夕食を早めに済ませた。目当てはクラブW杯決勝。鹿島とRマドリードの世紀の一戦を、寮の部屋でチームメート5、6人と食い入るように画面を見つめた。試合は延長までもつれる大熱戦。OB柴崎が2得点で、世界最強軍団をあと1歩まで追い詰めた。鹿島は敗れたが、「日本人も世界で戦えるというのを証明してくださった。誇りに思った」と奮い立った。

 手本になる戦い方だった。鹿島は豊富な運動量に堅固な守備。120分間まとまり続けた。「各国のスターがそろっているのに鹿島は全く臆せず、挑戦していた」と闘志の重要性をあらためて認識。「ウチは攻撃では長短のパスでつなぎ、リズムを作る。守備も0で抑えれば、PK戦では負けない。誰ひとりサボらずに体を張る」とFWもプレスをかけ続ける青森山田のスタイルと通じていた。

 先輩の活躍は刺激になった。柴崎が中高時代から練習を重ね、利き足と逆の左足の技術を向上させたことは知っている。その左足で2得点。「常日頃から柴崎さんの話は聞く。それ以上のプレーヤーになれるように努力している」と苦しい練習の先に結果はついてくると証明してくれた。自身は明大への進学が決まっているが、「後々、プロの舞台で一緒にやりたい」と目指す目標であると話す。

 大舞台で見せる。全国高校サッカー選手権は来年1月2日の鵬翔(宮崎代表、NACK5スタジアム)が初戦。高円宮杯に続く2冠がかかるが「プレミア(U-18)を制したからには責任がある」と優勝を誓う。「(鹿島は)もう少しで世界一になれたし、日本のサッカー界(の熱)は上がっている。高校サッカーが主役になれるように、モチベーションは上がっている」と意気込む。年末の顔が柴崎だったなら、年始の主役に俺たちがなる。いざ、高校日本一へ。青森山田魂が燃えている。【島根純】