今季初の4連勝と、偉業達成を告げる試合終了の笛が鳴った。横浜F・マリノスDF中沢佑二(39)が、フィールド選手ではJ1歴代1位となる139試合連続フル出場を達成。チームメートと次々と両手でハイタッチを交わし、抱き合った。今月途切れた浦和MF阿部の記録に並び、「気付いたらここまできた。DFは交代枠を1枚使ってはいけない、足をつってはいけない、90分走る体力がないといけないと思ってやってきた」と信念を貫いた結果と強調した。

 ひじ打ちを食らった前節東京戦に続き、ひやりとする場面に遭遇した。前半41分、ゴール前の混戦から頭でクリアした直後、シュート体勢に入っていたヴィッセル神戸FW大槻の足が顔面をかすめた。それでも「体を張るのが仕事」と怒らずに冷静に対応。接触の多いセンターバックながら、連続試合フル出場が始まった13年7月6日の大分戦から、約4年間で受けた警告は2枚。フェアプレーで大記録を達成した。

 最後に途中交代した13年5月25日の鳥栖戦は、前半39分に左太ももを負傷して退いた。「相手に突っ込んでこられて、どうすることもできなかった。不可抗力だった」。この経験が、中沢に一段とフェアプレーを意識させることになった。「相手がけがするような、危ないファウルはしないように心がけている。戦っている相手だけどリスペクトは必要」と言う。

 Jリーグ屈指の守備力の横浜を率いてJ1通算553試合目。まだまだ向上心は衰え知らず。3戦連続完封で記録到達に花を添えた。【高田文太】

 ▼J1連続試合フル出場 横浜DF中沢佑二が、25日の神戸戦(日産ス)でフル出場。J1リーグ戦の連続フル出場を139試合に伸ばし、GK以外のフィールドプレーヤーとして歴代最多の浦和MF阿部勇樹に並んだ。最多は鹿島GK曽ケ端準で244試合。中沢の期間中の警告数は2で、退場は0。出場停止は1試合もなく、フェアプレーも記録達成の要因か。