浦和レッズは今日12日、天皇杯3回戦のJ2ロアッソ熊本戦(駒場)に臨む。5日の川崎フロンターレ戦の敗戦後はミハイロ・ペトロビッチ監督(59)が「連勝できなければ最初にチームを離れる」と進退をかける発言でサポーターに覚悟を示したが、9日のアルビレックス新潟戦で2-1で逆転勝ちし復調の手がかりをつかんだ。連勝という言葉に関係なくクラブ側は続投を望んでおり、格下相手に確実に勝利しての完全復活を目指す。

 ペトロビッチ監督は選手を信頼する言葉に力を込めた。「負けることを恐れていないし、負けるとも思っていない。普段の練習でやっているプレーをすること」。相手はJ2だが、2回戦で4つのJ1クラブが敗退している。波乱を警戒しつつも「ミスを怖がることが一番よくない」と指摘した。11日の紅白戦も変わらず声を上げ、指示や賛辞を選手に送った。

 川崎Fに敗れた後、サポーターに対し、新潟戦から連勝できなければ監督を辞する覚悟を語った。新潟に勝った後は「負ければ監督が代わるかもしれないというプレッシャーの中で、選手は勇気あるプレーをしてくれた」とたたえた。川崎F戦後の言葉だけをとらえれば、熊本戦にも去就がかかるように見えるが、実情はやや異なる。

 山道守彦強化本部長は川崎F戦後も「全力でサポートするだけ。それがすべて」と話し、今も考えはぶれていない。5シーズンを共にし昨季はリーグ第2ステージやルヴァン杯を制した手腕への信頼は厚い。後任を探す動きはなく、熊本戦の結果にかかわらず支えていく意向だ。

 熊本戦は主力組から大きくメンバーを入れ替え、若手選手らにも出場のチャンスを与える。リーグ戦から中2日という事情もあるが、この起用はシーズン全体を見据えた采配で、去就を懸けるような戦いにはしない。指揮官は「明日は負けませんよ」と、選手への期待を言い残した。【岡崎悠利】