筑波大(茨城)が2-1でJ2アビスパ福岡に勝ち、16強進出を決めた。来季の磐田入りが内定しているFW中野誠也(21)が、後半24分と同34分に頭で得点。1回戦のJ3のYS横浜、2回戦のJ1仙台に続いてJリーグ勢を連破した。ベスト16による4回戦は9月20日に実施される。

 筑波大の勝利の立役者は2得点のエースFW中野だった。J3のYS横浜との1回戦(2得点)、2回戦のJ1仙台戦(1得点)に続く3試合連続の得点で、Jリーグレベルの実力を証明した。「自分だけで取れているわけではない。周りのサポートのおかげ」。日本代表MF香川似と言われる顔をほころばせた。

 2発とも頭で決めた。0-0の後半24分、左クロスを体勢を崩しながら決めた。10分後にはワンバウンドした低空の右クロスに飛び込んだ。「足で行くと外すと思ったので、一番面の大きい頭でいこうと思った。意外に冷静でした」。磐田の下部組織時代にはFW中山(現J3沼津)に憧れ、ゴールへの貪欲さを学んだ。昨年の全日本大学選手権では4戦8発で得点王と最優秀選手賞を獲得して優勝。1月に磐田の内定を勝ち取った実力を発揮した。

 Jリーグ勢を相手に結果、内容ともに上回り16強進出。小井土監督は「選手たちは自信を持ってやるべきことを90分やってくれた。最後の最後まで1つになって戦えた」とうなずいた。中野は「どんな相手にも、今は自信を持って戦えている」と力強く言い切った。

 ▼中野誠也 なかの・せいや。1995年(平7)7月23日、静岡県生まれ。5歳からサッカーを始め、磐田U-18-筑波大。13年Jユース杯とプリンスリーグ東海で得点王。16年全日本大学選手権で得点王とMVP。武器はスピード。好きな選手は香川真司。172センチ、67キロ。利き足は右。血液型O

 ▼Jリーグ勢に3連勝 筑波大がJ3のYS横浜、J1の仙台に続き、J2の福岡を撃破。大学勢がJリーグ勢に3連勝は初めてで、09年度大会の明大の2連勝を更新。また、大学勢としては09年度大会の明大以来、8大会ぶりの16強(4回戦)進出となった。