鹿島アントラーズは29日、国立研究開発法人の産業技術総合研究所(茨城・つくば市)と「スポーツ産業および科学技術振興に向けた連携・強力協定」締結会見を茨城・カシマスタジアムで行い、概要を発表した。

 目的は<1>両者の知見を融合し、カシマスタジアムを最新技術の実証の場として活用する<2>カシマスタジアムの利活用を促進し、スタジアムを核とする地域経済の持続的成長を促進する<3>双方の持つ情報や人材などを活用し、コンテンツを通じて社会貢献活動等を強力して実施する。

 主な内容に関しては<1>産総研発ベンチャーを含めた最先端技術を導入し、カシマスタジアムの機能改善、顧客の利便性向上、施設保守の効率化を進める<2>カシマスタジアムを最先端技術の実証の場「ラボ」として利用し、中長期的な研究テーマを選定して研究開発を促進する<3>Safety(安全・安心)Sustainability(持続可能性)Satisfaction(顧客満足)の3Sを備えた公共大規模施設の新たな利活用モデルを構築する。

 鹿島の鈴木秀樹事業部長は「管理コストをどう削減するか、顧客満足を上げて収益の向上の2つが主なテーマ。そこからたくさんの枝葉が広がる」と説明した。スタジアム内の観客導線の改善などにも着手予定で、今後は売店配置なども含めて最適な環境を築く。また、顔認証システムを利用し、観客席などで笑顔を認識して、区画ごとの顧客満足度合いを量ることも計画。海に近い立地のため、塩害に強い芝の研究などにも努めていく。