柏レイソルが勝利目前で失点し、3位浮上のチャンスを逃した。

 後半23分、FWクリティアーノからの左CKに、FW伊東純也(24)がヘディングで決めて先制。「セットプレーで、なかなか得点できていなかったので練習してきた。いいところに入ってきたので、うまく合わせられた」と振り返った伊東の今季3点目で、優位に試合を進めた。だが、後半ロスタイムにマークのズレなどミスが重なり同点とされた。失点直後には、ピッチであおむけに倒れ込む選手が続出。試合終了直後は座り込んだり、膝に手を当ててうなだれたりと、ショックの大きさを体で表す選手が相次ぐ「ドーハの悲劇」を思わせるシーンが続いた。

 鹿島アントラーズ、セレッソ大阪に2戦連続で逆転負けした上位対決に続き、中位のベガルタ仙台にも、先制点を奪っても逃げ切れなかった。後半15分から途中出場し、柏レイソルでのデビューを果たした元韓国代表MFキム・ボギョン(27)は「最後に集中力が落ちて失点したのは残念。難しい状況での出場になったけど、コンディションは問題ない。もう少しプレーしたかった」と振り返った。キムの出場直後に先制点が生まれ、守備に重点を置く時間が続いたため、得意な攻撃で見せ場をつくることはできなかった。主将のMF大谷秀和は「クリアすべき場面やキープすべきところ、ちょっとしたことの積み重ねで失点が生まれた。3位になるチャンスを自分たちで手放してしまった」と話した。

 次節は29日に2ゴールを挙げ、派手にJリーグデビューを飾った元ドイツ代表FWポドルスキを擁するヴィッセル神戸をホームに迎える。伊東は「相手は関係ない。上に食いついていって、優勝争いするためには次は勝たないといけない」と、力を込めていた。