J1アルビレックス新潟から12日にV・ファーレン長崎に期限付き移籍したばかりのFW平松宗(24)が、東京ヴェルディ戦の後半に初出場し、移籍後初ゴールを決めた。

 後半8分、長崎陣内から東京V陣内へロングボールが飛んだ。東京VのDF井林章(26)がヘッドでGK柴崎貴広(35)に送ろうとしたところ、連携ミスから柴崎が早く飛び出してしまい、ボールは無人のゴールに向かって転々と転がっていった。

 平松は東京Vの大きなミスを見逃さず、走り込むと、冷静に右足でゴールに流し込んだ。「ボールを追うことで、自分が得点を決めるよりかは、誰かがボールを拾ってくれればアクションを起こせるとイメージしていた。うまく僕の前にボールが転がって決められた」と振り返った。

 無人のゴールに流し込むだけの状態だったが、逆に言えば絶対に外せない状況でもあった。そこを落ち着いて決めきった。「リラックスというか、何も考えずに流し込めばいいと思った。ボールもゴールもしっかり見えていたので、流し込むだけでした」と淡々と語った。

 長崎でのデビューから、わずか8分で初ゴールを決めたが、負けた。「先制点を早く取られ、難しい状況の中、自分が入ることで流れをつかめられたらと思った。負けたので悔しい」と喜びはなかった。

 高木琢也監督(49)は平松の起用の狙いについて「加わってから日もたっていない状況で、細かいところが出来る状況じゃない。高さ、粘るところは、我々のチームにないところなので入れました」と説明した。平松は「(体を張ることが)自分の持ち味。監督からも要求されていたこと。うまくできたかなと思う。次はチームが勝てるようにプレーできれば」と前を向いた。【村上幸将】