浦和レッズがヴィッセル神戸DF岩波拓也(23)を獲得することが13日、決定的になった。複数の関係者によると、大筋で合意し、交渉の大詰めを迎えているという。今季の浦和はリーグで3番目に多い54失点で、守備の要のMF阿部も36歳になるため、若手のセンターバックの補強を目指していた。リオデジャネイロ五輪日本代表の岩波は、186センチの長身を生かした空中戦の強さと対人の強さが光る。好機を演出するキック力にも定評があり、将来の日本代表として期待されている。神戸とは今季で契約が満了することから、G大阪、鹿島も獲得に動いた。神戸も他クラブを上回る条件を出して慰留に努めていた。

 岩波は、23日に天皇杯準決勝のC大阪戦を控え「絶対に天皇杯をとりたい。今はそこに集中するだけ」と話し、移籍については明確にしてこなかった。下部組織から所属した神戸への愛着は深く、残留も考えていたが「日本代表に入りたい」と目標を掲げ、条件ではなく新天地での挑戦を選んだという。

 今季の浦和は守備を整備し直した堀監督の下でアジア王者になったが、国内では無冠。岩波の加入は国内タイトル奪回を目指すチームにとって大きな力になりそうだ。