なでしこリーグ1部のアルビレックス新潟レディースは25日、新潟聖籠アルビレッジで新体制発表会見を行った。今季から指揮をとる山崎真監督(47)と、新加入するGK平尾知佳(21=浦和L)、MF入江未希(22=マイナビ仙台)、DF李孝敬(イ・ヒョギョン、20=北陸大)が出席した。日本女子代表の経験者、GK平尾は「誰も止められないところも、止められるのが持ち味」と新天地のプレーに意気込んでいた。

 172センチの長身には、決意が詰まっていた。日本女子代表の経験者・GK平尾は新天地の新潟でサッカー人生のリセットを決めた。「新しいところ。新潟で経験を生かしたい」。浦和での昨季はリーグ戦の出場はゼロ。試練のシーズンになった。2月にはアルガルベカップ(ポルトガル)出場のための日本女子代表に招集されたが、インフルエンザのため断念した。8月には左親指つけ根の靱帯(じんたい)を損傷。手術を施し、約6カ月の長期離脱を余儀なくされた。「昨年は心が鍛えられた」。強い心で再スタートを切る。

 平尾は各年代の代表に選ばれてきた。JFAアカデミー福島に所属していた12年にはU-17女子ワールドカップ(W杯)に出場。15年にはU-19アジア女子選手権の優勝に貢献した。そんなすご腕は、新潟でのプレーに希望を膨らます。「シーズン初めから試合に出て、チームに貢献したい。DFと連係してシュートを打たせない守備を心掛ける。シュートが飛んできたら、止めたい」。

 会見に臨んだこの日から今季の練習はスタートした。新任の山崎監督は新潟の弱点を「指導者の直感で感じたのは守備。お互いに補完し合う関係を作らなければならない」と話しただけに、ゴールマウスを守るGK平尾の役目は重要になる。「雪かきに慣れていないけれど、新潟の人は温かくて、私のところまで雪かきをしてくれた」と新潟の人たちの人情に触れて、平尾の奮闘は始まる。【涌井幹雄】