ジュビロ磐田と清水エスパルスが、今日25日、そろってホームで開幕戦を迎える。昨季王者の川崎フロンターレと対する磐田(エコパ)は24日、磐田市内で約1時間の調整。トップ5を目指して出陣の態勢を整えた。

 就任5季目のシーズン開幕前日。名波監督は、笑顔で選手たちを見つめていた。恒例のリラックスゲームで最終調整を終えると、落ち着いた口調で語った。「やるべきこと、継続することは変わらない」。リーグ最少30失点の堅守。それを軸に6位に躍進した昨季からの積み重ねを、王者に真っ向からぶつける決意だ。

 期待感は日々、膨らんでいる。前日23日に行った紅白戦の映像をチェックした指揮官は言った。「100%ではない。ただ、状態の良い選手が多く、練習から質が高い。前は『期待よりも不安の方が大きい』と話していたけど、自信を持ってやっていいのかなと思う」。J1で初の開幕スタメンが有力なMF松本昌也(23)ら、現時点でベストな11人をピッチに送り出す。

 キーマンには、MF中村俊輔(39)を指名した。相手MF中村憲剛(37)との司令塔対決をポイントに挙げた上で「俊輔はセットプレーで質の高いボールを蹴っていたし、中の選手とも合ってきた」と期待を口にした。

 川崎Fは昨季、リーグ最多71得点を記録。今季、元日本代表FW大久保嘉人(35)が復帰するなど、強力な攻撃陣がそろう。だが、対策はできている。あとは、力を発揮するのみだ。「選手のモチベーションは高い。開幕戦独特の雰囲気の中で、(選手が)平常心でプレーできるようにしたい」。J2だった15年以来の白星発進へ。磐田のレジェンドが、最高のタクトを振るう。【前田和哉】