J2アルビレックス新潟はまたもホームでの逆転負けを喫した。東京ヴェルディに1-2。前半23分にMF加藤大(27)の今季初得点で先制したが、後半8分、18分と守備の隙を突かれて2失点した。東京Vとは、ともにJ1だった08年以来の対戦。ここまで通算6戦3分け3敗の相手から、またも勝利を挙げることができず、順位は13位から15位に後退した。

 試合後、観客席にあいさつする新潟のメンバーにブーイングが浴びせられた。引き分けを挟み、第13節大分トリニータ戦に続くホームでの逆転負けに、スタジアム全体が落胆した。

 あっさりと失点した。後半8分、東京Vにダイレクトでパスをつながれ、MF渡辺晧太(19)に決められた。その10分後、足が止まったところで裏にパスを通され、FW林陵平(31)に決勝点を許した。途中出場のMF小川佳純(33)は「イージーに取られすぎ」と強い口調で言った。

 04年から17年までJ1で対戦したチームで、唯一勝利を挙げていない東京Vから、10年ぶりの対戦でも白星を奪えなかった。後半31分にFW田中達也(35)を投入して3人の交代枠を使い切った。その後にDFソン・ジュフン(24)が負傷退場。追いかける時間帯に10人での戦いを強いられる不運もあった。

 立ち上がりに流れはつくった。前半23分、MF高木善朗(25)の中央からゴール前へのパスに、MF加藤が走り込んでゴール。「善朗の立場だったら、どこに走れば出しやすいか、と考えた」と加藤。昨年の第33節清水戦以来で、今季の自身初得点は貴重な先制点、そしてチームを勢いづける1点になるはずだった。

 ホームでの勝利は第6節徳島戦(3月25日)までさかのぼる。「1人少ない状況でバランス良く戦ってくれた」。鈴木政一監督(63)は選手をねぎらいながらも「危機感を持って改善しなければ」と険しい表情を見せた。【斎藤慎一郎】