清水エスパルスで前代未聞の不祥事が発覚した。清水は3日、元出向社員による売上金などの不正私的流用について発表。経理担当の30代男性が2012年から6年間にわたって、チケット代やスポンサーからの協賛金などから約6700万円を着服し、物品購入や遊興費、貯蓄にあてていたことなどが判明した。着服は7月3日に見つかり、調査を開始。当該元出向社員は、7月31日付で懲戒解雇されている。

 清水の左伴繁雄社長(62)はこの日、静岡市内で会見を開いて謝罪した。

 「当該社員に現金出納を含む多くの経理に関する業務を全て1人に任せていました。会社のチェックも不十分で、管理監督責任もあります」

 同社長は、月額報酬の30%を3カ月間減額。対応策として業務上の全ての手続きにおいてダブルチェックを徹底することと、定期的な人事ローテーションなどを挙げた。

 既に当該元出向社員から約3000万円が弁済されており、今後全額返済されることも決まっていることから、「刑事告訴は見送る」としている。