東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(61)は、スコアレスドローに終わった大分トリニータ戦後の監督会見で、J2のクラブが選手登録期間の最終日付近という差し迫った段階でJ1クラブなどに主力選手を引き抜かれた場合、「(移籍)マーケットの期間を延ばすなどの措置が必要だろう」と提言した。

 東京Vはこの日、リーグ戦28試合全てに先発してきたMF渡辺皓太(19)が、ジャカルタ・アジア大会に参戦中のU-21日本代表に選ばれ不在だった。さらに、同じくリーグ戦28試合全てに出場していたDF畠中槙之輔(22)が、14日にJ1横浜F・マリノスに移籍。J2最強の攻撃力を誇る大分戦を、主力2選手を欠いた状況で臨みながら勝ち点1を積み上げ、J1昇格プレーオフ圏内の6位を死守した。

 監督会見の質疑応答で、報道陣から渡辺と畠中の不在が大分戦に与えた影響と、残りのシーズンの見通しを聞かせてほしいと質問が出た。ロティーナ監督は「ハタ(畠中)もコウタ(渡辺)も我々にとっては、とても重要な選手です。コウタは代表に行くということで、我々にとって、とても痛いが断ることは出来ないことだった。ハタの移籍も我々にとっては痛いことなんですけど、彼の将来を考えたら、我々は喜ぶ必要があると思う」と前向きに語った。

 その上で「今年は2部から1部の移籍が、今までの中で一番、多かったと聞いています。チームによっては、より大きなダメージを受けたチームもある。1人だけじゃなく2、3人抜けたら、2部のチームにとっては、とても痛いこと。すごく大きな問題になってします」と切り出した。さらに「何か解決が必要な問題だと思っています。例えば最終日だったり、期限ギリギリで選手が抜かれると、2部のクラブにはリアクションできる体力がない」と、静かな口調ながらJ2クラブにおいて切実な問題だと訴えた。

 そして、私見として解決法を提案した。

 ロティーナ監督 そういう問題を解決するために、例えば(移籍マーケットの期限の)最終日だったり、残り2、3日に選手を抜かれたチームは、移籍マーケットの期間を伸ばすとか、そういう措置が必要だと思います。例えば、最終日に3人、抜かれたとします。そのチームにとって、すごく大きな問題になってしまう。

 ロティーナ監督は最後に「これは協会だったり、リーグが措置を考える必要がある問題だと思います」と日本サッカー協会(JFA)とJリーグに提言を投げかける形で会見場を後にした。【村上幸将】