U21日本代表の法大FW上田綺世(2年=鹿島学園)が、2戦ぶりの得点を上げた。1点リードの後半16分から途中交代でトップに入ると、すぐにチャンスをつくった。胸トラップから余裕をもってボールをコントロールしてからのシュート、左サイドでDFと1対1からスピードを生かして縦に抜き去り決定機をつくるなど、いずれもコンディションの良さを感じさせた。

見せ場は最終盤の後半45分、右サイドで抜け出し、右足でゴール左端へグランダーで決めて、決着をつける3点目を奪った。ここまで3本のシュートを放ちゴールを割れなかっただけに、得点を決めるとチームメートに両手を合わせて謝るようなポーズを見せ、すぐに祝福で仲間からもみくちゃにされた。

この試合では後期開幕後、初のスタメン落ち。そんな中で結果を出した上田は試合後「やっと決まりました。それまでは、シュートは打つんですが、入らなくて…。トラップまではイメージが出来ているんですが、その後がうまくいかなくて、ゴールが奪えず苦しみました。アジア大会のネパール戦でも、シュートは打つんですが、決まらなくて。時々、そういうことがあるんですけど、今日みたいに何とか最後に決まれば、これから自信もってゴールに迫れると思います」と、ほっとした表情を見せた。

長山一也監督(36)も「今日は後半の勝負どころで上田や紺野の得点力ある選手を入れて試合を決めるプランでした」とコメントし、狙いがはまった試合展開だったことに笑顔を見せた。関東大学リーグ1部になると、選手のフィジカルも一気にレベルが上がり、パススピード、ゴール前での迫力もJリーグにひけを取らない。そういう中で、上田にはチームを勝たせる活躍が求められる。「うまくいかない状況でも何とか打開して、結果を出していけば、またU21に選ばれるチャンスも出てくると思います。常にゴールへのイメージを持てるよう、しっかり練習に取り組んでいきたい」。東京オリンピック(五輪)代表、その先にはA代表を見据えるホープは、現状維持とは無縁の向上心を胸に大学リーグで鍛えられている。