天皇杯準決勝が今日5日、J1ベガルタ仙台-J2モンテディオ山形の「みちのくダービー」(ユアスタ)で行われ、9日の決勝進出が争われる。

仙台の「ダービー男」MF関口訓充(32)が、チームの手綱をさばき、初のファイナルステージに導く。4日、仙台市紫山サッカー場で最終調整を行い、「イケイケの時間帯と抑える時間帯のメリハリをつけて戦うことが大切。ホームでのダービーなので、必ず勝って終わらせます」と意気込んだ。

誰よりもダービーの酸いも甘いも知り尽くしている。新人の04年から8年間、みちのくダービーを経験したのはもちろん、渡り歩いた浦和、C大阪のビッグクラブでもダービーマッチを経験してきた。浦和では仙台から移籍した13年に、大宮との「埼玉ダービー」でダメ押しゴールを決め、埼玉スタジアムを歓喜させた。「リーグ戦で上位にいても、ダービーで負けたらサポーターから大ブーイングが飛んできた」と重みを体感。C大阪では「大阪ダービー」を経験。分厚い戦力のG大阪に圧倒され続けたが、17年のルヴァン杯準決勝で撃破し、優勝を果たした経験を持つ。

その浦和時代に共に戦った山形FW阪野との対戦も楽しみにする。「浦和ではサブ組で一緒にやっていたし、山形で主力で頑張っているのも知っている。ボールをキープできるし、サイドに散らしたセンタリングにもびびらず飛び込んでくる能力の高い選手なので、注意したい」と警戒した。数々の修羅場をくぐってきたベテランが、熱狂するホームでチームの手綱を引き締める。【下田雄一】