欧州代表レアル・マドリード(スペイン)のFWガレス・ベイル(29)が、アジア王者の鹿島アントラーズ相手にハットトリックを達成した。

先制したのは0-0の前半44分、左サイドでボールを持ったベールがDFマルセロにボールを出し、裏へ抜け出す。ワンツーで絶妙な浮き球パスをもらうと、角度のないところから左足シュートをゴール右隅に流し込み、均衡を破った。

病み上がりで結果を出した。ベールは12日の欧州チャンピオンズリーグCSKAモスクワ戦で右足首を痛め、負傷退場。15日のリーグ戦(対Rバリェカノ)はベンチ外となり、治療に努めていた。一時はクラブW杯出場が危ぶまれたものの、開催国UAEに乗り込んではいた。そして、この準決勝で先発復帰。スローペースで試合に入ったチームの中で唯一、序盤からキレのある動きを見せていた快足アタッカーが、前半終了間際にスコアを動かした。

これで止まらなかった。後半8分には2点目だ。鹿島DF山本のバックパスがずれたのを見逃さず、猛チャージ。DFチョン・スンヒョンがGKクォン・スンテの手前でかろうじて外に蹴り出すも、弱くなったクリアボールを拾って、無人のゴールに右足で流し込んだ。

肩を落とす鹿島イレブンに、ベイルは息つく暇を与えない。2分後、容赦なくゴールネットを揺らした。ペナルティーエリア内の左でマルセロのスルーパスを受け、左足シュートでGK頭上を豪快に射抜いた。ハーフタイムを挟んでいるものの、わずか“11分間”でハットトリックを達成。後半15分にお役御免となり、MFアセンシオとの交代でピッチを後にした。

今年で15回目を迎えるクラブW杯で3人目の1試合3発。15年のスアレス(バルセロナ)16年のクリスティアーノ・ロナウド(Rマドリード)に、ベイルが続いた。負傷明けとは思えないパフォーマンスで大量リードをもたらし、残り約30分はベンチから見守った。

鹿島FW土居に1点を返されたものの、ベイルの3ゴールは揺るがず。2年前のリベンジを狙ってきた鹿島を返り討ちにし、試合後は鹿島の19歳MF阿部をたたえるなど、余裕の表情でピッチを歩いていた。

22日午後7時30分(日本時間深夜1時30分)に行われる決勝では、史上初の3連覇をかけて開催国王者アルアインと対戦する。