J1の横浜F・マリノスは8日、元日本代表DF中沢佑二(40)が現役引退すると発表した。中沢の三郷工技術高(埼玉)時代の恩師、村田義昭氏(61)が、教え子にメッセージを送った。「サッカーのためなら他のものはすべて犠牲にできる選手だった。とにかく自分に厳しかった」と思い起こした。

高3の夏に行ったブラジル遠征では、強豪アメリカの下部組織のコーチから練習生として声をかけられた。「高校をやめて今すぐブラジルでやりたい」と申し出た中沢に、卒業するよう説得した。帰国後すぐに牛乳配達などのアルバイトを始めてお金をため、卒業式直後に海を渡ったという。「昔からずっとストイックだった」と感心した。

02年に横浜に移籍する直前、村田氏が当時指導していた春日部東高の夏合宿を訪れ、部員のインターバル走に参加した。昼食に冷たいたぬきうどんを食べながら「J1でダメになったら潔くやめる」と話していたことを今でも覚えている。「今後のことも彼が決めること。また見守りたい」と愛弟子の次なるステージでの活躍に期待を寄せた。