鹿島アントラーズFW安部裕葵(ひろき、20)が、スペインの強豪バルセロナに移籍することが12日、鹿島から正式発表された。メディカルチェックを経て、正式契約となる。

関係者によると、移籍金は設定の満額を上回る約200万ユーロ(約2億5000万円)で、トップ昇格までの間は年俸25万ユーロ(約3125万円)となる見込み。原則2年間は2部B(3部相当)のチームでプレーする。現地の一部報道では3年契約とも報じられており、またバルセロナのトップチームが行う今月の日本ツアーに帯同するという報道もある。

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ついに“バルサ安部”が誕生した。日本人選手がプロとしてバルセロナ入りするのは初めて。RマドリードのMF久保建英(18)と対戦すれば、クラシコでの日本人対決が実現するかもしれない。

安部は瀬戸内高を卒業して17年に鹿島入団。プロ2年目の昨季はJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞した。今季はU-20日本代表から“飛び級”で、南米選手権に臨む日本代表に初招集されていた。

プロ入り後は、世界と戦う機会が多かった。1年目にはJリーグワールドチャレンジでセビリアと、2年目にはクラブW杯でRマドリードやリバープレートと対戦。世代別代表にも定期的に招集され、事あるごとに「世界の壁」を感じてきた。

そんな経験からか、常に海外を意識したトレーニングや発言を繰り返していた安部。念願かなって、名門中の名門で欧州キャリアをスタートさせることになった。まずは2部Bからのスタートとなるが、すぐ隣でトップチームがトレーニングを積む最高の環境で、地道に努力を重ねていくはずだ。

◆安部裕葵(あべ・ひろき)1999年(平11)1月28日生まれ、東京都出身。兄の影響で4歳ごろサッカーを始め、城北アスカFC、本田圭佑のプロデュースするS.T.FCを経て、瀬戸内高へ単身サッカー留学。高3の夏の総体で鹿島に見いだされプロ入り。今季から鹿島で背番号10を背負った。171センチ65キロ、血液型O。右利き。