18日に行われる天皇杯4回戦で、法大が新歴史に挑む。法大は山梨・中銀スタジアムでJ2ヴァンフォーレ甲府と対戦。勝てば1993年にJリーグ発足後、初の大学チームの8強入りとなる。昨年12月、全日本大学サッカー選手権大会で42年ぶりに優勝し、アマチュアシード出場チームとして天皇杯出場権を獲得。2回戦でJ2の東京ヴェルディを2-0で下すと、3回戦ではJ1のガンバ大阪を2-0で撃破した。G大阪はMF遠藤、GK東口、DF三浦、MF井手口ら日本代表経験者が先発し、途中からMF倉田、FW宇佐美、アデミウソンが出場していた。それでも法大は、迫力ある相手の前線にも力負けすることなく無失点で快勝し、16強入りを決めた。

G大阪戦でチームを勢いづける先制ミドル弾を決めたMF大西遼太郎(4年=ジュビロ磐田ユース)は「最初は正直、ヴェルディに勝てたらいいなと目標にして臨んで。ヴェルディに勝って、次はガンバには当たって砕けろと挑んで勝てて…。逆に、こんなチャンスはないし、大学の記録もあるので、ここまできたら勝たないと」と意欲を見せる。屈強なFWを擁する甲府に「自分の役目としては、ボールの出どころをつぶして、セカンドボールを拾うことが自分の役割になる」と中盤の要としての責任を口にした。

サイド攻撃の軸を担うのは、FC東京に加入内定のMF紺野和也(4年=武南高)。161センチと小柄ながら、スピードを生かしたドリブル突破を武器に攻撃をけん引する。G大阪戦では、日本代表経験のあるDFに物おじすることなく果敢に仕掛け勝利に貢献した。甲府は堅守が特長だが「チームとしてはチャレンジャーですが、通用しないとダメという感覚で臨みたい」と、来季からJリーグでプレーする自覚を示した。「学生の価値を証明するには天皇杯が1番の大会だと思います。その大会でここまで勝ち上がれているのは、大学の力、法政の力を証明できていると思う。歴史を変えられれば」。3度目のJ撃破で、走力と球際を生かした法大スタイルで歴史の扉を開ける覚悟だ。