全国高校サッカー県大会決勝トーナメント(T)が、2日に開幕する。浜松工は創部52年目で初の決勝T進出を果たした。

初戦でプリンスリーグ(L)東海所属の藤枝東と対戦。MF奥村練主将(3年)を中心に金星を狙う。袋井はけが人が復帰し、選手層の厚みが増した。同校初のベスト4入りを狙う。

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浜松工はノーシード校で唯一、決勝Tに勝ち上がった。1次T4回戦の浜松湖南戦は、前半を終えて0-2。奥村は「誰もあきらめていなかった。立て直して、前からボールを奪いに行った」。後半の3得点で逆転勝ちを収めて決勝Tに進出した。

今季は西部地区1部リーグで優勝。来季の県Cリーグ昇格を決めた。その勢いを県選手権にもつなげている。本間宣資監督(45)は「自分の考えを伝えられる選手が多い」とチームを評価する。起用法や戦術に関して選手たちにも意見を求め、自主性を尊重している。だが、当初は選手同士の意見がぶつかり合い、まとまりを欠く時期もあったという。奥村は当時を振り返り、「全員が自分の主張を言うばかりだった」と苦笑いを浮かべた。それでも「今は他の意見に耳を傾け、よりよいアイデアが出るようになった」と成長を感じている。

初戦の会場は藤枝市民グラウンド。相手の地元に乗り込んでの対戦となる。奥村は「個々のスキルは圧倒的に相手が上。チャレンジャーとして、怖がらずに自分たちらしくプレーしたい」と力を込めた。さらなる旋風を巻き起こす決意だ。

○…浜松工FW水信(みずしな)雄暉(3年)は、1次Tでチーム最多の11得点を挙げた。浜松湖南戦では全3得点に絡み、逆転勝ちに貢献した。エースストライカーは、さらなる強豪との対戦を心待ちにしている。「本気のプリンス相手にどこまで通用するか楽しみ」。自らのゴールで勝利をたぐり寄せる。【古地真隆】