開幕戦で明暗が分かれた。5シーズンぶりにJ2で戦うジュビロ磐田は、ホームでモンテディオ山形を2-0で下し、白星発進。東京オリンピック(五輪)代表候補のFW小川航基(22)が宣言通りの2得点を挙げ、チームを勝利に導いた。

磐田FW小川航がまぶしいほどの輝きを放った。シーズンを占う大事な初戦で2得点。プロ5年目で初となるリーグ戦でのマルチ弾を開幕戦でやってのけた。「毎試合2点取る気持ち」で臨み、宣言通りの活躍。試合後は「ホッとした。無得点じゃ帰れないと思っていたので」と、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

殊勲の先制点は泥くさく奪った。前半13分、味方が放ったシュートを相手GKがはじくと、いち早く反応。ゴールに向かって転がっていたボールを左足で押し込んだ。触れなくても入っていたが、「運があるかなと思った」。FWとしての貪欲さを見せると、追加点は持ち味を発揮。同35分、左CKから頭で追加点を奪い「首を振らずに当てるだけを意識した」と、打点の高いヘディングでゴール左隅に流し込んだ。

今季から背番号を9に変更。元日本代表FW中山雅史(52=J3沼津)が長年つけたエースナンバーを背負う。サポーターの期待も大きく、ユニホームの売り上げは断トツ。現時点で総売上数の約3分の1が9番だという。周囲の期待もモチベーションの1つで「それ以上の活躍をしたい」と並々ならぬ思いだ。

プロ入り後の3年半はケガなども重なり、J1でわずか1得点。「思い描いていたプロ生活とは正反対だった」。昨年7月には水戸へ期限付き移籍。武者修行したJ2で7得点を挙げ、自信を取り戻した。

東京五輪への思いも強い。「J2では爆発的な活躍が必要。このままノンストップでいきたい」。磐田にとっても大事な1年を、チームの「顔」として引っ張っていく。【神谷亮磨】