新型コロナウイルスへの感染対策として、プロ野球とJリーグは従来の応援方法の変更を求められる可能性が出てきた。

日本野球機構(NPB)とJリーグは3日、都内で第1回の「新型コロナウイルス対策連絡会議」を行った。3人の専門家から開催時のファンの応援スタイルについてのリスクを指摘され、鳴り物での応援の自粛なども今後の選択肢に入りそうだ。

9日には第2回の会議が予定され、12日以降に提出される専門家による意見書を受け、両組織が開催に向けての決断を、それぞれ下すことになる。

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異例のタッグ結成で得た知見を即活用する。第1回の新型コロナウイルス対策連絡会議を終えたJリーグの村井満チェアマンは「統括団体の私が抽象的な概念をこねくり回すよりも、はるかに臨場感、危機感のある意見交換だった。有益だった」と大きくうなずいた。

公式戦再開時の予防策を考える上での知見を得た。「濃厚接触」の定義を「2メートル以内にいて大きい声で向かい合ってしぶきが飛ぶような距離感、しかも密閉空間であることが条件」という話から観戦スタイルを考察。「サポーターが一定空間を空けた観戦が確保できないか」と客席の人数配置や鳴り物を含めた応援方法など、延期期間中に議論を深める必要性を口にした。

検温の重要性も再認識。毎日の起床時に計測する平常時体温を把握することで異常時への気付きが早くなるとの助言に納得。「37・5度、もしくは平常時体温より明らかに高い状態が2日間続いたらチームから離れ至急検査と。毎日の体調を簡単な問診のようなものを作り、全クラブに共有するつもり」と呼びかける。

会議には日本ラグビー協会の代表者がオブザーバーとして参加した。Jリーグも加盟し、バレーボールのVリーグなど、他の球技団体で構成される日本トップリーグ連携機構の他団体にも内容を報告する。

Jクラブにはチェアマンのコメントを加えた動画を収録したビデオレターとして配布する方針。議論を深めながら9日の第2回会議をへて、早ければJリーグ各クラブの社長による実行委員会が開催される12日をメドに意見書をまとめてもらう予定。そこから18日にリーグ再開できるかどうかの判断へとかじを切る。【浜本卓也】