新型コロナウイルスに感染した日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)が2日、都内の病院を退院し、ウェブ上で記者会見を行った。

田嶋会長は2月下旬から3月上旬にかけ、女子ワールドカップ(W杯)招致活動などのため欧州、米国に渡航。帰国後に変調を感じ、3月16日から入院、同17日に新型コロナウイルスへの感染が判明していた。会見の冒頭では「このたびはご迷惑とご心配をおかけしましたことを本当におわび申し上げます。日本でも多くの方が亡くなり、今現在も闘病中の方が多くいらっしゃる中、こうやって退院できたことを、本当に日本中の医療関係者の皆さま、多くの応援してくださった皆さまに感謝申し上げたいと思っています」とあいさつ。退院に至るまではPCR検査で2度陰性が出ないといけなかったことを明かし「30日と1日に検査をし、2回とも陰性だったことで退院となりました」と話した。

入院中の29日にはJFAの定時評議員会と理事会が行われ、3期目となる会長再任も果たした。これについては「入院している中で評議員の皆さんにお認め頂いたことを感謝していますし、今サッカー界をとりまく環境、私が皆さんに説明する必要もないと思いますが、本当に危機的な状況です。日本だけの問題ではありません。このタイミングで会長をすることの責任、今まで以上にその大きさを感じています。サッカー界全体が一つになり、一枚岩になってこの危機を乗り越えていきたいと思っている」と気を引き締めた。

田嶋会長は入院中は1週間ほど微熱が続いたが、肺炎の症状は軽度だったという。当面は隔離生活を続けながら、ウェブ会議などを通じて業務に携わっていく。会見では実際に同ウイルスに感染した者としての意見も語り「自分が入院していたから分かることではありますが、さまざまな意見、批判、今の医療体制に対してあると思います。ただこういう中で現場の方々、ドクター、看護師さん、スタッフさん、保健所の皆さん、必死になって医療崩壊を起こさないように食い止めようとしてくださっています。そのことはお伝えしないといけないですし、そういう方たちが感染したり、負荷が掛かりすぎることで医療崩壊になってしまうことが一番問題になると思っています」と話した。