「人間味のある人でいたい」。J1浦和レッズで再三の規律違反を犯し、J3FC岐阜へ完全移籍した元日本代表MF柏木陽介(33)が17日、問題発覚後、初めて報道陣の取材に対応し、今後の歩むべき人間像を語った。「本当に反省、反省、反省が2週間ほど続いた中で、FC岐阜さんに一番に声を掛けてもらって。ここに来ることが、一番プラスになるかなと」。ベテランの域に差しかかった33歳。新天地でのプレーを選択した。

家族の存在も支えとなった。妻は元TBSアナウンサーの佐藤渚さん。「私はサッカー選手だから結婚したわけじゃない」とポンと背中を押された。「家族に対しても、子どもに対してもサッカーをしている姿を見せたい、という気持ちが強かった」。海外クラブも獲得に興味を示していた中、J3という舞台での挑戦に迷いはなかった。

安間貴義監督(51)には「最近のお前は好きじゃない。昔のお前は最高やった」と声を掛けられた。浦和時代にはACL優勝を経験。背番号「10」は代名詞となり「浦和の太陽」とも呼ばれた。「浦和のこと、心から好きだった。態度で示していきたい」。新たな地での背番号は「42」。「中途半端な気持ちで来たわけではない」。不退転の覚悟で、再び太陽のように輝く。【栗田尚樹】